文献情報
- タイトル: Job Shop Scheduling Solver based on Quantum Annealing
- 著者: Davide Venturelli, Dominic J.J. Marchand, Galo Rojo
- arXiv:1506.08479 [quant-ph]
概要
組合せ最適化問題の一つであるジョブショップスケジューリング問題を定式化し、これをD-Wave Twoにより解いた。
問題
ジョブショップスケジューリング問題(JSP:Job Shop Scheduling Problem)とは、機械を用いて複数のジョブを処理する場合に、全体の稼働時間やコストを最小にする問題である。各ジョブには複数のオペレーションが含まれ、各オペレーションには実行する機械に対して所要時間が決まっている。
今回は以下の制約のもとで、オペレーションを機械に割り当てて、全てのジョブが完了するまでにかかる時間を最小化する。
- あるジョブのオペレーション開始時刻には、順序が与えられる
- 機械は一度に、1つのオペレーションしか処理できない
- オペレーションを開始したら、途中では中断できない
最適化問題の定式化
組合せ最適化問題の種類: ジョブショップ・スケジューリング問題
変数:
目的関数:
ただし、
- ジョブのオペレーションの順番を守ること:
- 1つの機械で1つのジョブだけ行なうこと:
- 1つのオペレーションを開始したら、中断や再開をしないこと:
各オペレーションと実行する機械に対する所要時間の例を示す。なお、
上記の例をQUBOへマッピングした図を示す。
色付きのブロックはオペレーションの開始時間の候補であり、色付きのブロックを結ぶ点線はオペレーションの順番を守るという制約条件である。上記の例から、所要時間が2であるオペレーション
D-Waveマシン実装上の工夫
変数選定: オペレーションの順番に従っていない変数を選定する。
所要時間の推定: 古典的なソルバーを用いて解を計算することで、サイズ
パラメータ設定: 「オフライン」パラメータ設定
結果
D-wave Twoを用いて、
また、D-Waveの実行時間と、完全な解が出せる二つの古典的アルゴリズム(分枝限定法、MSアルゴリズム)の実行時間を比較した。分枝限定法の結果は、D-Waveの結果を上回った。一方、MSアルゴリズムによって解くのに約
今回の問題サイズは小さすぎるため、より多くの量子ビットによって、より大きな問題サイズに対する漸近的挙動を実証し測定する必要がある。
本記事の担当者
丸山尚貴