2021/12/19に行われた量子アニーリングソリューションコンテストに、T-QARD-949として参加しました。残念ながら入賞は出来ませんでしたが、多くの方に動画を見て頂けて嬉しかったです。その動画はこちらからご覧出来ます。本記事では、動画では説明しきれなかった実装部分に重点を当てて解説していきます。
readナーススケジューリング問題をD-Wave 2000Qで解く (検証編)
記事「ナーススケジューリング問題をD-Wave 2000Qで解く」では、ナーススケジューリング問題(NSP)をD-Wave 2000Qで解くことにより、量子アニーリング(QA)の計算性能を評価する論文を紹介しました。結果として、NSPを解くことに関しては、QAよりもシミュレーテッドアニーリング(SA)の方が有用でした。しかし、この論文では制約の係数を人数や日数といった設定毎に変えていないため、係数を調整することで、より良い結果を得られる可能性があります。そこで本記事ではまず、最適だと考えられる係数を探索します。そして、その係数を用いることで、論文の結果よりも基底状態の解を見つける確率が向上するのか検証します。
readリバースアニーリング
リバースアニーリング リバースアニーリング(RA)は、古典系の解を初期状態とします。そして、横磁場を切った状態から徐々に横磁場を印加し、再び横磁場を切るという操作によって、より良い解を探索する方法です。アニーリングの進行 […]
readイジング模型とQUBO
イジング模型 イジング模型は、次のハミルトニアンで表されます。 \begin{equation}H(\mathbf{\sigma}) ~:=~ – \sum_{i<j} J_{ij} \sigma _i […]
readボルツマン機械学習にD-Waveマシンを用いる
ボルツマン機械学習では対数尤度関数を最大化するために、ギブス・ボルツマン分布からのサンプリングによる平均値を計算する必要があります。その方法の一つとして、マルコフ連鎖モンテカルロ法 (MCMC) が使われています。しかし、MCMCは初期状態から平衡状態への緩和に長時間の計算を要する場合があります。また、緩和した後も平均値を精度良く求めるための十分なサンプリング数の確保に時間がかかるといった課題もあります[1]。そこで本論文では、D-Waveマシンから得られる出力の分布がギブス・ボルツマン分布に近いことを利用して、平均値の計算にD-Waveマシンを用います。本手法により、手書き数字画像の生成・復元が可能であることに加え、ランダムなイジング模型も学習可能であることを示します。
readナーススケジューリング問題をD-Wave 2000Qで解く
医療現場では人の命に関わる業務を行っているため、看護師の勤務の質が厳しく求められています。しかし、看護師の生活の質も守らなければいけないため、勤務表の作成が困難になっています。ナーススケジューリング問題 (Nurse scheduling Problem, NSP)とは、複数の制約の下で看護師に最適なシフトを割り当てる問題です。NSPは1969年以前より研究されており、NP困難であることが知られています。
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