リバースアニーリング
リバースアニーリング(RA)は、古典系の解を初期状態とします。そして、横磁場を切った状態から徐々に横磁場を印加し、再び横磁場を切るという操作によって、より良い解を探索する方法です。アニーリングの進行度合いを表すパラメータ[latex]s[/latex]を用いて、ハミルトニアンを次のように表します。
\begin{align}
\hat{H} \left(s \right) &=~ s \hat{H}_0 + (1 – s) V_{\rm TF} \\
V_{\rm TF} &=~ – \sum_i^N \sigma_i^x
\end{align}
[latex]\hat{H}_0 [/latex]が目的関数に対応する項で、[latex]V_{\rm TF} [/latex]が横磁場に対応する項です。
アニーリングスケジュール
[latex]s=1[/latex]のとき、横磁場の項が0になります。つまり、横磁場を切った状態になります。そこから[latex]s[/latex]を小さくしていくと、徐々に横磁場は強くなっていきます。[latex]s=0[/latex]のとき、横磁場の項のみ残ります。つまり、全ての状態の重ね合わせになります。このような横磁場の変化を、アニーリングスケジュールで表すことが出来ます。
D-Waveマシンのような熱の影響を受けるような開放系では、横磁場の強さを一時停止(ポーズ)し、熱緩和を利用することで効率的に探索が可能であることが知られています [Passarelli et al. 2020]。
参考文献
- [Passarelli et al. 2020] Passarelli, G., Yip, K.-W., Lidar, D. A., Nishimori, H. & Lucignano, P. Reverse quantum annealing of the $p$-spin model with relaxation. Phys. Rev. A 101, 022331, 2020, https://doi.org/10.1103/PhysRevA.101.022331.